こんにちわ! 町田です。
今回のブログのテーマは小説です。
といっても、一冊の小説をとりあげて何か書くのはとても大変そうなので、
僕が個人的に好きなキャラクターの名文を紹介したいと思います。
まずは「ねじまき鳥クロニクル」の笠原メイ。
女の子です。けっこう若かったと思います。バイクで2ケツしてて、ちょっとした遊び感覚で
運転してた男の子に目隠しして、転んで怪我。男の子死んじゃってます。
にもかかわらず、平気に見える、そしてある意味イノセント。そんなキャラ。
ねじまき鳥さん(オカダトオル)にあてた手紙のなかの一文です。
ところで私は最近になってフツフツと思うのだけれど、人間がこうして
毎日朝から晩までせっせと働くというのは”ちょっと変”なものですね。
そう思ったことない? どう言えばいいのかな、私がここでやっている仕事なんて、
これをこうやりなさいと上の人にいわれたことをいわれたとおりにやっているだけです。
なんにも考える必要がないわけ。脳みそなんて仕事前にロッカーに置いてきて、
帰りにまたひょいともってかえればいいくらいのものです。 1日24時間のうち自分の
自由になる時間はほんのちょびっとしかありません。その「自由な時間」だってけっこう
疲れてるから、寝ころんでただボオっとしてることが多いし、落ち着いてものを考える
ことってないも同然なのね。 もちろん週末は仕事からは解放されるけど、それだって
センタクやらソウジやらをまとめてやったり、ときどき町にでたりするとあっというまに
終わってしまう。いちど決心して日記をつけようとしたんだけれど、書くことがまるでなくて
けっきょく一週間でやめちゃいました。だってくる日もくる日も同じことをくりかえしてる
だけなんだものね。
でもそれにもかかわらず、”それにもかかわらず”です、自分がこんな風に仕事の
一部になっていることにたいして、私は”ぜんぜん”悪い気持ちをもってません。
イワ感みたいなものもべつに感じない。というよりむしろ、私はそうやってアリさん的に
わきめもふらず働くことによって、だんだん「ほんとうの自分」に近づいているような
気さえしちゃうのです。なんというのかな、うまく説明できないけれど、自分について
考えないことでぎゃくに自分の中心に近づいていくというみたいなところがあるのね。
私が「ちょっと変」だというのはそういうことです。
笠原メイは他にも紹介したいのがたくさんあります。もっといいのもある。
僕的に印象に残る文章でした。 皆さんはどうですか?